論文書き=わからないことをわかるようになること

まとめて論文を書く仕事をしていると,これは自分がわかっていないことを明らかにする作業だと感じる.今やっているのは学生が書いた論文を読んで,わからないところを全部わかるようにすること.そのために学生に質問をしたり,関連する文献を読んだり,あまり明るくない周辺技術の解説動画をみたりする.そうすると段々わかってくる.

残念ながら自分はあまり頭が良くないので*1自分が完全にわかることであれば,世の中のたいていの人はわかってくれるはず.そんなわけで,「自分がわかる」というのは査読者が読んでもわかる良い試金石になっているので,とにかくまずは自分がわかるまで噛み砕く作業を続ける.

ところで最近はこれまでに経験がない新たな領域に関わるテーマに取り組んでいることもあり,この作業がなかなかに骨が折れる.結局勉強しながら論文書いているようなことになるので時間もかかる.よくわかっている分野であればとことん表現を磨く作業までいけるのだけど,そもそもよくわからない技術が入っている場合,書く前にまずそこを完全に理解できるまで内容を検討するしかない(専門家の共著者がいないときはなおさら).

というような状況もあり,なかなか苦戦はしているのだけど,この作業はとても充実する.これがあと数日続く予定.いやぁまだまだわからないこと山積み!(笑)

*1:本当に心底そう思う.そしてそのことを自覚できる程度の客観的な視点くらいは持ち合わせているつもり.すぐにものを忘れるし,理解速度も遅い.