久々の論文書きモード

ここ1年くらいまともに論文書けていなかった(書く余裕がまるでなかった)のですが,絶賛締切に追われて書いています.2本同時進行でなかなか厳しい状況なのですが,厳しいながらも論文書きが好きな作業であることが認識出来てきました.

なぜ好きなのか?アイディアを有形化する作業を通じて自分の脳内をクリアにすることに爽快感を感じるからなんだと思います.一種の脳内麻薬みたいなもんでしょうかね.まぁそんなことでもなければ正直やっていけませんですが @ お盆前からずっと休みなし until next Monday.

論文は論文にすぎないのですが,当たり前のことを当たり前に表現することは価値のあることだと思います.そんなのわかっている,ということであってもフォーマルな形で書き出してみると粗が出てきたり,論理に飛躍があることがわかってきます.なんとなくわかった気になっているやや曖昧なことを一点の曇りもなく明白にしていく作業を継続していると,脳内全体がクリアに澄み渡ていくような気がします.まぁ恐らく気のせいなんですけどね.

あと,これを書けば「なるほどね」と読者が言うような殺し文句を考えるのもなかなか面白いです.論文を読んでいると良く「あーやられたなー」という場面に遭遇うするのですが,それを読者に言わせてみたいものです.わかってたんだけどやられっちゃったなーという奴です.Top conference で興味があるタイトルの論文を開くと大抵そんなのばっかりです.「あー」とか「やられたー」を連発してしまいます. その場合の著者と読者の発想の差はそれほど大きいとは思えないのですが,先駆けて有形化できたことに価値があり,そして大きな隔たりがあるのでしょう.

当たり前のようだけど今までなかった primitive や building blocks をスクラッチから作る作業には高い価値を感じます.言われてみれば当たり前なんだけど,それは言われて初めて気がつくのであって,決してトリビアルなものではないという類のものです.時間をかけて思考を練りに練ってつくり上げるもの.それらは決して死ぬほど画期的なものじゃなくても良いんだと思います.や,画期的なものが出てくるに越したことはないですけどね.人から「なるほど」と思ってもらえる仕事をしたいものです.