粉瘤切開日記 (2)

粉瘤切開の翌日も通院。今日は昨日とは違う先生が診察。まずはガーゼ交換からであるが、傷口に押し込んであるガーゼを剥がすだけでかなり痛い。そして痛がっている様子を見て、ベッドの上に寝かされる。そしてガーゼ交換だけで終わるという淡い期待は打ち砕かれ、「まだ中に結構残っているので、取っていきますね」との通告を受けた。鋭匙(えいひ)ではなかったものの、鑷子(せっし)なるこれまた恐ろしい響きの器具をメスで切開した傷口から差し込み、中に残っている嚢腫(粉瘤を構成する袋状の組織)を掻き出す処置を受けた。声が出るほどではなかったが、眉間にシワが寄り、歯を食いしばってうぐぐぐ・・と力が入るくらいには痛い。処置時間は15分ほどだっただろうか。

激痛ではあったのだけど、幸いかつて受けた臍炎の治療時ほどの痛みはなかった。臍炎のときはゾンデなるこれまた恐ろしい響きの器具を臍から奥深く差し込み、膿を掻き出す処置を受けたのだが、これは経験者には「鳥葬」とも形容されるほどの激痛が走る恐ろしい術式で、20年近く経つ今も未だにトラウマである。痛むのは臍だけでなく、内部でつながっている肛門のあたりも含めて鋭利な痛みが直線的に突き抜ける。そう、まるで臍から尻までを串刺しにされているかのように・・・当時、処置終わった後には痛みと精神的ショックのあまり立ち上がることすらままならず、会計にいくまでの短い距離を憔悴しきった顔をしながら車椅子に乗ったほどであった。今回は先生が優しくて、丁寧に処置してくださったので、痛いながらもなんとか乗り切ることができ、感謝している(ちなみに臍炎のときのT先生には未だに恨みのような感情を持っている)。しかし、まだ明日以降も処置が続くと思うと憂鬱である。酒も飲めないんだよなぁ・・・