役に立つこと at scale

人は、自分の成長や利益を追求する自分中心のフェーズから、他人の成長や利益を追求する他人中心のフェーズに移行するときがある。前者はスケールしないのだけど、後者はスケールするというのが大きな違い(だから、役に立つこと"at scale" というタイトル)。そして、後者を目指すと自然に前者が達成されることもあるが、その逆はない。

今日はこの3月で退職される先生方の話を多数聞いたのだけど、後者の観点でお話をされた先生の話は面白く、含蓄に富むと感じた。

教育というのは基本的には後者のはずなのだけど、その上で、普段の行動や意思決定の礎となる理念は前者(自分中心)なのか、後者(他人中心)なのか、という違いはおそらく大きい。「ひたすら学生を中心に考えて仕事に取り組んできた」と語った先生、「若手研究者に対する厚い支援こそが重要だ」と熱く語った先生の言葉は、いずれも重かった。本当に他人のためにやってきたからこそ出てくる言葉だと思う。自分も(今の実情は棚に上げて)今後に「他人中心」を実践し続けて、退職する際にその経験から得られた教訓なんかが言えるようになりたいもの。