しないことリスト

帰国するにあたり、やや旬を逃してはいますが「しないことリスト」を作ってみました。いくつかは判断基準が曖昧という点で悪い例なのですが、そのときの自分の心に聞いてみて判断しようと思っています。

  • 妥協の仕事はしない
  • ネガティブな事は言わない・聞かない・見ない
  • 遅くまでオフィスにいない
  • 祝日は働かない、土日のどちらかは働かない

1番目。企業で働く以上は妥協せざるを得ない場面というものはどうしてもあるものですが、裁量のある仕事については自分が納得できる仕事を選び、そして自分が完全に納得いく完成度になるまでとことんやることを自分に課したいと思います。こんなことはもちろん当たり前の事なのですが、そんな当たり前の事が当たり前にできなくなっていたことに気がつきました。これを徹底することによっていわゆる「成果主義的成果」は減るリスクがあります。しかし、そのリスクをとってでも本当に納得のいく仕事をしたいと考えています。そしてそのように取り組んだ仕事がうまくいかなかったとしても次を考えれば良いと思います。成果主義の功罪は色々議論されていますが、成果主義の運用方法やそのもののあり方を変えていくことはとても時間もかかることだと思います。少なくとも自分自身が実行出来る事として、目先の成果に走って本末転倒なことに時間を割くことを拒否しようと思います。また、大きな成果だけを狙うという事ではなく、熟慮した high-level picture を描き、そのマイルストーンとして短期的な(途中)成果を目に見える形でアウトプットしていくことがとても大事だと思っています。 

ところでこちらの教授のやり方を見ていますと、いくつかのプロジェクトを走らせる事によってうまくリスクマネージメントしているように思います。実際にこちらで私が携わったプロジェクトは「このプロジェクトはうまくいかない可能性もあるのだけど、うまくいけばとても素晴らしい成果になるよ」という教授の言葉からスタートしました。そのプロジェクトは紆余曲折がありつつも今のところとても素晴らしい結果を得ています。しかしプロジェクトによっては途中の結果を見てお蔵入りになる可能性もあるかと思います。このあたりはマルチスレッド(本当は分散処理が望ましいですが)でやっていきたいと思います。

2番目。何かを批判したり愚痴を言うのってとても楽しいんですよね。焼き鳥屋でするこの手の会話は密の味です。でも言ったり聞いたりするだけだとあまり良いことがないと思います。適度にストレスを発散する効用はあるのでしょうが、根本的な解決にはならないですし。もちろん根本的な解決が難しいからこそ愚痴りたくもなるのですが、その中で自分が出来ることは何かをポジティブに考え、直接的な解決が可能なものは実際に行動に移すように心がけようと思います。飲み会等で愚痴モードになったらその考えうる解決策もセットで話すようにしたいです。

ところでアメリカに来てとても強く印象を受けた事の一つは、ポジティブな考え方をする人がとても多いということです。もちろん私のサンプルは小さくてバイアスもあるのですが、いくつか印象的な会話を耳にしました。そのうちの一つは、あるご夫婦の話で結婚前に女性の方が年齢をやや低めに言っていたのですが、いざ結婚の直前に本当の年齢を男性に伝えたところ、瞬時に「女性の方が平均年齢が高いから○○と一緒の時期に死ねそうだね。とても嬉しいよ!」と返したという話です。こういう台詞は普段からポジティブな考え方をしていないとなかなか咄嗟にはでないと思います。普段からネガティブなものをポジティブな見方でとらえる習慣を身につけようと思います。

3番目。これは昔からの自分の悪い癖なのですが、どうしても遅くまでオフィスにこもってしまいがちです。1番目に書いたような妥協の無い仕事をしようと思うとなおさら遅い時間までいがちなのですが、これをやめようと思います。こちらの教授の働きぶりをみていると締め切り前などは遅くまでオフィスにいることもありますが、それ以外はコンスタントに早めにオフィスに来て早めに帰宅されている方が多いようです。安定したワークパターンを続ける方が長期的にみてhigh throughputになっているように思います。また、仕事が途中でも敢えていったん中断して帰る事によって以下のような効用を得る事を期待しています。

  • 仕事以外のことへの投資の時間(引き出しを増やす意味でもこれは大事だと思っています)
  • 遅い時間の外食をなくすことで健康に気を使う。(夕食を家でとるようになり、なんと体重がちょっと減りました。)
  • VDT症候群になるのを避ける(こっちに来てからも何度かこれに苦しみましたので)
  • 運動に時間を当てる(週1のバスケとジム通いを復活させようと思います) 
  • 家族サービスの時間を十分にとる(家族あっての仕事です)

4番目。これは3番目と同じ効用を期待していますが、3番目にくっつけると長いので別項目にしました。

「有言実行」にならないようにしたいと思います(しないことリストは実行してしまうのが問題なので、めざすのは有言不実行)。