近況

ずっと更新さぼっている間に年も明けてました。最近の気温は-20℃がざらになり、すっかり冬モードなのですが、元気に生きてます。ところでping目的でご訪問された方(なんてほとんどいないと思いますが)近況はtwitterをのぞいて頂けるとどんな感じかだけはわかるかと思いますのでよろしければどうぞ。
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年末から満足な家族サービスもろくにせずにずっと仕事ばかりしていたのですが、お陰で色々と修行になりました(とはいえ途中でDQ4の旅にはまったりもしてましたが)。私が従事する研究分野では最高峰と位置づけられるカンファレンス(多くのCS分野ではカンファレンスが重んじられる傾向あり。)の投稿締め切りが来月頭なので、今現在周りの教官・PhD学生は最後の仕上げに向けて必死です。自分もこちらにきて参加させてもらったプロジェクトでこの会議に照準を合わせて仕事をしてきていたのですが、残念ながら年末に大きな欠陥がみつかってしまい、連日のミーティングと試行錯誤の結果一応の解決策はなんとかひねり出せたものの、きっちりと理論の部分もあわせた仕事にするためにはもう少し時間が必要であることがわかったので、今回の投稿は見送りです。成果自体はとても素晴らしいものなので、近い将来に良い論文になると思います。

ところでこの会議には日本からはこの10年でほどでたしか2、3本しか通っていない(という数字は他のCSの分野と比べてみてわりと違いがありそうですが)のですが、その理由はもちろん研究の地力もさることながら、年末年始の過ごし方に関する文化的な差も無視できないようながしました。というのは、アメリカでは感謝祭やクリスマスこそ盛大にお祝いするものの、正月は非常にあっさりしたもので1/2からオフィシャルに仕事が始まるところが多いです。大学ももちろん例外ではなく、多くの教官学生が元旦の翌日からフルスロットで仕事を初めます。私も休みはこっちのカレンダーに合わせてますので、1/2から働いています。また、大学では春学期が始まるのは大体今週くらいなので、それまでは論文にフルに時間をかけられるというわけです。クラスの時間もターム毎に何コマという基準を満たせばよいらしく、この時期にはクラスをやらないという教授も少なくないそうです。一方この時期日本では三ヶ日は当然休みですし、ちょっと甘い組織だと(どっきり)最初の土日までに休みをくっつけたりして、仕事納めから10日くらい休んだりすると思います。さらに年末になんだかんだと忙しく過ごしてしまい、仕事始めから3週間程度ではそもそも投稿できないというケースが少なくない気がします。さらに日本には正月ボケという強く根付いたメンタリティもあったりして、1月中はあまり仕事がはかどらないという人は少なくない気がします。

あとはこれはこの分野に限らないのですが、競争が激しく採録数に上限がある査読付き投稿において最後の最後で差がつくのは英文の構成力や表現力で、それをいかにすばやく出来るかというのも大きいと思います。ネイティブでない日本人がそこまでの英文を素の状態で書くのはとても難しいので、人に見てもらうためにもやや早めに準備する必要があります(共著者にネイティブがいるのがベストなんですが)。そうすると最低でも2ヶ月くらい欲しいところではあるのですが、この期間が年末・年始にかかっているというのは厳しいですね。しかしそれを言い訳にしてはいけないですし、第一他のやはりトップに位置づけられる会議は違う時期が締め切りですからね。この辺は精進あるのみです。

ところで上記の前提をひっくりかえすようなことを言うと、論文に採録されることは最終ゴールではないと思います(まぁ当たり前なんですが)。そのゴールは実際に人類にとって有益なものを生み出すこと(あるいはその材料やレシピを作り出す)ということのはずで、その過程に良い論文が書けるというパスがあれば最高です。この究極のパスを実現することはなかなか難しいです。が、そこを目指さないとダメだろうなと最近思ってます。論文にするという作業は本質的ではない部分での苦労も相当にあるのですが、そこはさらりと出来るようになるといいんですけどね。というわけで、まだまだ修行が足りないです。プログラミングもプロトタイピングレベルを越えて、実際に他人が使えるくらいにまでできるようになりたいです。という思いもあってあらためて年末から細々と勉強もはじめています。