Alpine + gmail + IMAP4

久々の更新ついでに備忘録です。前に Mew から gmail に乗り換えようかみたいな話を書いたのですが、会社の同僚から Mew + Hyper Estraier の組み合わせが最強だと聞いて導入してみたところ、非常に素晴らしい検索性能で快適に使っていました。どちらも日本が世界に誇れるソフトウェアだと思います。会社で受け取るメールは今のところこの環境でまったく不満がないので、当面これでいくつもりです 。一方、プライベートなメールは Gmail を使っているのですが、先日のGmailの IMAP 対応に伴い(この業界に身をおきつつも恥ずかしながら生まれて始めて!)手始めに ipod touch のメールに IMAP を導入してみたところこれが非常にいい具合なので、必ずしもweb IFを使わなくてもいいという気分になり、PC の方はコマンドインタフェースのメーラに戻りたいという欲求がふつふつと湧いてきました。もちろん Mew でもいいのですが、こっちにきてから使っている Pine の後継である Alpine というソフトウェアが年末に出ていたのが気になっていたので、それを導入することにしました。せっかく使い方やキーバインディングを憶えたので忘れてしまうのはもったいないという貧乏性な気持ちもあったりするのですが。以下、Gmail 対応および日本語対応に必要な設定に関するメモです。インストールは OSX 10.4と FreeBSD 6.1 で試しましたが、どちらも ./configure; make; make install で一発でした。なぜか手持ちの Vinelinux にはインストールできませんでした。Nokia N800にもインストールできるみたいです。ちなみにAlpineで送信したメールのヘッダには
User-Agent: Alpine 1.00 (OSX 882 2007-12-20)
というのがつきます。Pine にはこういうのついてないかわりにメッセージIDが
Message-ID:
みたいになってましたが。Alpine では
Message-ID:
となります。

下記の設定はメインメニューの S (SETUP) -> C (Config) から入力することができます(これは .mew を手で書くよりも楽&色々な知らない設定もできる)。
シングルクォート''で囲んでいるところは'' をのぞいてください。.pinerc を直接手でいじることもできます。

Gmail の設定

  • Personal Name = 'your_name'
  • User Domain = 'gmail.com'
  • SMTP Server (for sending) = smtp.gmail.com:587/tls/user='your_gmail_id'
  • Inbox Path = imap.gmail.com:993/ssl/novalidate-cert/user='your_gmail_id'}INBOX


日本語 (ターミナルの文字コードを UTF-8 にしてるという条件での設定です)

  • Display Character Set = UTF-8
  • Posting Character Set = ISO-2022-JP

最低限これだけで良いと思います。あとの使い方は見た目で大体わかるようになってます。OSX で使ったところ KeyChain でパスワードを憶えてくれたのが便利でした。

その他

  • [X] Ctrl-K Cuts From Cursor

チェックすると Ctrl-k で消すのはカーソル以降。チェックしないとラインがすべて消える。emacs 使いはチェックした方が良い。キーバインディングで唯一不満なのは ペーストが Ctrl-y じゃなくて Ctrl-u なところ。これを変更するにはソースをいじるしかないのかな。

便利なコマンド

  • w 画面内で検索
  • ; メッセージサマリの画面よりメッセージ検索。便利なコンボ - ; -> T (Text) -> A (All Text) -> クエリ入力 -> imap search の検索結果が帰ってきます(超高速)
  • 検索結果にフォーカス -> z (zoom)
  • H ヘッダを参照する

Mew と比べてよいと思われるのは

  • インストールが楽
  • 諸々の設定が楽
  • 添付ファイルを選ぶのが楽

というくらいですかね。使い勝手は微妙に違うのですが、本質的なところ(=キーボードから手を離さずにすべての操作が完結できる)ではあまり差はないと思います。細かいところだと本文が UTF-8 なメールを Mew のサマリモードでみると、タイトルはちゃんとデコードされますが、本文の一部が化けますよね(設定が悪いからかもですが)Alpine ではその問題はなかったです。RFC的にどっちが正しいのかは知りませんが。あともちろん emacs と離れられないという人にAlpineはお勧めできないです :) editor を好きなものに変更できるようなので、少なくとも入力部分は emacs を使えるみたいです。付属エディタの pico では日本語の自動改行がうまくいかないようなので、emacs にした方がよさそうです。ので、改めて emacs 22.1 をインストール中。しかしこうなってくると素直に Mew を入れた方が早いかも ^^;

ところでこれは Alpine に限らない話ですが、gmail + imap search のパワフルさに感動しました。あたかもローカルで検索しているかのようにクエリが返ってくるのがとても良いです。そしてローカルサーバの検索エンジンより格段に高速です。Google が広告がつかない非 Web IF にこれだけのサービスを提供してしまう理由は色々あるのだと思いますが、その一つは間違いなくメールに対する検索クエリの収集インタフェースを増やすことにあるんだろうと思います。imap のおかげで過去のメールのGmail 移行も相当楽になりましたしね。シンプルなことですがとても感心してしまいました。