年寄り

 しばらくぶりにブログなど書いてみているのだけど,最近すっかり年寄り臭くなっているなぁという自覚症状がある.良く言えば成熟なのだけど,悪く言えば保守的になっている気がする.具体的には,とにかくチャネルを増やそう!という拡大路線の提案に対し,いや待て提案自体は悪くないのだけど現実的にリソースを考えてみなさいよ,とブレーキをかけてしまう.以前(と言っても数年くらい前)にはとにかくチャネルを増やそう!と言っている側だっただけに,この変化は正直自分でも驚きであるのだけど,「管理職」と呼ばれる立場になってからというものの,職務遂行のためには物事に優先順位をつけた上でリソースの制約条件下で最適な仕事が出来るように「マネジメント」をしてしまうのである.
 これは管理職として至極真っ当な態度であると思うのだけど,一方で研究者としてもっとも大事なパッションが薄れてしまっている気がする.無理くりでも何とかするんだ!とか,当たって砕けろ!と言った情熱的なやり方が出来ない.もちろんそういうやり方は「無理」とか「砕ける」という言葉で表現したようなリスクがあるのだけど,真摯で一途な気持ちや情熱を大事にするならば無下に否定してはいけない気がする.もちろん,さしたる情熱や信念もない拡大路線ならどうぞご勝手に,と突き放してしまうのだけど.
 かの Steve Jobs のスタンフォードでのスピーチにおける 'Stay hungry, stay foolish' はそういうことなのかもしれないが,御行儀よく,失敗なく,つつがなく物事を進行させているだけでは面白いことはできないのではないだろうか.管理職であることと,御行儀悪く,意図的に失敗してみたり,わざと遠回りすることが両立できないのであれば,どちらかを諦めるべきなのかもしれない.さて,アラフォーな俺は今後どういう生き方を選択するのか?今思うのはやっぱり情熱的で我武者羅な生き方をしたいなということ.昔の自分のブログ記事を読み返してみてそう思った次第.別に若返りたいということではないのだけど,上述した意味での年寄り臭い生き方はなんとしてでも返上したい.