Nuit de la vérité, La (The Night of Truth )

今日もUWシネマティークで映画を見てきました。またアフリカ映画です。一連のアフリカ映画のシリーズはすべて The Pan African Film & Arts (PAFF) でここ最近受賞した映画のようです。今日見た映画は先週に引き続きブルキナファソの映画なのですが、今回はNacroという女流監督の作品でした。テーマは戦争、平和、そして断罪です。あらすじは、アフリカ西部にあるという設定の架空の国での政府と反乱軍との内紛を背景とした話で、ものすごくはしょって書くと長い間紛争の関係にあった政府と反乱軍が戦争を終結し、調和と和平を目的とした祭りを開催するのですが、政府側の大統領の子供(実は実の子ではなく、大統領夫人が軍部の愛人との間にもうけた子)が反乱軍の兵士に虐殺されていたという過去があり、和平の場であるにもかかわらず大統領夫人の心中は穏やかではありませんでした。しかもその子供をひどい方法で虐殺した張本人というのが実は今では誰よりも和平を願い、そのために行動を進めてきた反乱軍側の大佐その人だということが明らかになります。和平の祭りのクライマックスに花火が打ちあがる中、大統領夫人が軍人を使って復讐を試みるのですが・・・というような話です。
しかし女流監督ではあるのですが、とても生々しく死が描かれていて比較的なショッキングな場面もありました。そのような生々しい描写で描こうとしていたテーマは、多くのアフリカ諸国で今現在も続いている内紛の残酷な現実、どんな人の心にも潜む悪魔の心、そしてその心を捨て、さらに過去の過ちを断罪することでしか真の平和が成立し得ないというとても重いものでした。先週見たSia, the Dream of the Pythonもそうでしたが、ここでも神話や迷信の類が人々のマインドを支配している様子が描かれていました。ちなみにこの映画のモチーフはユーゴスラビアの内紛そしてルワンダの大虐殺であるそうです。
ここ3週続けてアフリカ映画をみたおかげで、アフリカ諸国の抱える問題が少しリアルに感じることができた気がします。ニュースの文面だけではわからないことも多いと思います。もちろんまだまだ知らないことも多いのですが。次回はシリアスではないアフリカ映画も見てみたいです。

ところでシネマティークの夏シーズンは今日でおしまいで、次回は9月中旬からである模様。その間は学生組合の映画もあるようなので、そっちにも行ってみようと思ってます。

The Pan African Film & Arts

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