格差の拡大?

COVID-19で格差が拡大するという説がある。その説を示す客観的な事実もいくつかある。少なくとも、この1年間で富裕層は金融資産を増やしたが、実体経済は低調が続き、貧困問題が再び顕在化している。

一方、COVID-19 の前も含め、世の中で格差が拡大してきたかというと、この数十年位のスパンでは YES かもしれないけど、百年とか千年のスパンで考えるとどうだろう。歴史におけるその時々のごく一部の支配者が強大な権力を誇っていた時期の方がよっぽど大きな格差があったのではないか(だからといって、今の格差が問題ではない、ということには当然ならないのだけど)。

・・・というようなことを考えながらでウェブで調べてみたところ、歴史研究の方が書かれたずばりそのものの本を発見した。レビュー内でも記されているように、日本は明治政府が進めた四民平等の原則により、近代はきわめてフラットな世界となった。
各時代において、格差がどう生じて定着していったのか、それらの格差は政権の移り変わりによってどの程度リセット(あるいは維持)されたのか、という点にすごく興味がある。読んでみよう。

 

www.bookbang.jp

 

(追記)

この興味は、「格差」を分布で表現する zipf 則が時間軸でどの程度安定しているのか、そしてzipf 則を形成する構造に変化はあるのか、といった点に集約されるように思う。理解には社会科学的な視点も必要になると思われる。こういう話は面白い。